2.27-28 2010年チリ地震

2010年2月27日3時34分14秒(現地夏時間)

チリ中部沿岸(ビオビオ)にて、M8.8の大地震がありました。チリの各地では、改正メルカリ震度階級のⅧと判定されています。この地震では、現在の大津波警報の前身である、予想高さ3mの津波警報(大津波)が発表されました。

チリでの被害

チリでは死者802人、行方不明者25人、重軽傷者約12,000人、そしてチリ国外でも津波の影響により、ハワイ、アメリカ、日本などで死者・行方不明者計100人以上の被害を出しました。チリにおける経済被害としては、GDP比15%以上の損害が、インフラ被害としては道路、橋梁、港湾施設、電力施設などが甚大な被害を受け、さらに鉱業への影響として世界最大の銅産出国であるチリの銅山が被害を受け、銅価格が一時的に上昇しました。津波によって、チリでは、最大8.8メートルの津波が襲い、沿岸地域に甚大な被害を与え、ハワイ、アメリカ、日本、ニュージーランドなどでも津波を観測しました。

日本への影響

日本への影響としては、人的被害が死者1人、行方不明者1人、重軽傷者100人以上、経済被害が約10万世帯が停電、新幹線、飛行機、船舶などが運休、港湾施設などが被害を受けるなど、経済損失は約1,000億円とされています。日本でも最大で1.28メートルの津波を観測し、沿岸地域に被害が出ました。

津波予測の課題

この津波では、津波の予測が過大となりました。気象庁は津波警報(大津波)を予想高さ3mとして青森県太平洋沿岸、岩手県、宮城県に発表していましたが、実際には高知県で1m28cm、岩手県で1m20cmの津波を観測しました。この津波による被害の少なさから、翌年2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震での避難が遅れ、被害を拡大させたとも言われています。

まとめ

海外で発生した地震であっても、津波が押し寄せてくることはあります。この地震では地球の反対側から、大きな波が日本に押し寄せてきました。
命を守る最善の行動を取ることが最も重要です。津波情報が発表された場合には、周囲の人へ大声で逃げるように呼びかけながら、一刻も早く高台へ逃げてください。

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EWRS総合情報共有局(EGIC)代表・会長を務める。 福岡県福岡市南区出身、11月23日生まれ。現在は東京都葛飾区在住。 東京都葛飾区(地盤増幅率2.39)で地震監視を実施。EGIC-LIVEは主に日曜担当。 2021年6月より団体の中枢を担い、団体発足当初から団体の総括を行いながらも団体職員として活動。 2024年3月からEGIC-Radioにもパーソナリティとして出演。EGIC-Radioのコーナー「エジック防災」の担当内容は「日常からできる防災」「地震について」「気象について」など。EGICの中ではどちらかというと理系枠。 EGIC-Radioの原稿についても担当しており、特に初期はその傾向が強かった。今も原稿制作・企画や監修を行っている。

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