次の行き先を地図で探していたちさまるが、ある県を指差した。
ちさまる: ねぇねぇ! ここ行きたいな!
「おんせん県」だって! 温泉マークがいっぱいだよ!
ミニまる: おんせん! あったかいのー?
ぷかぷかしたいー!
コネクト: いいね! 大分県!
温泉に入って、地獄蒸しプリン食べて、リフレッシュしようよ!
コレクト: ……却下します。
観光ではなく、視察です。同じ大分県でも、今回は県庁所在地である『大分市』の都市防災を調査します。
あそこは温泉地とは全く異なる課題を抱えていますから。
特急「ソニック」で大分駅へ。しかし、一行が期待した光景はなかった。
わかまる: あれ? 駅を降りたけど、硫黄の匂いがしないね?
湯気も全然出てないよ?
ちさまる: 温泉街じゃない……。
普通の、おっきな街だ……。温泉たまご……。
コレクト: だから言ったでしょう。ここは大分川と大野川が作った『三角州(デルタ)』の上に発展した都市です。
地盤は砂や泥で構成され、海抜も低い。我々が調査すべきは、この地形的リスクとどう向き合っているか、です。
街を貫く川のほとりへ。その先には別府湾が広がっていた。
コネクト: すごい! 大きな川が2本も流れてるんだね!
この川が、昔々、土砂を運んできてこの街を作ったんだ。
コレクト: その通り。しかし、『街を作った川』は、『街を壊す川』にもなります。
大雨が降れば洪水のリスク。そして、この川を遡って、南海トラフの津波が内陸まで侵入するリスクも同時に抱えています。
わかまる: あ! あそこの電柱に津波避難ビルのマークがある!
やっぱり、海が近いからちゃんと備えてるんだね!
ポチまる: (ワン! ……川の匂いと、潮の匂いが混ざっている。油断できない場所だ、と知らせている)
シビアな勉強のあとは、お待ちかねのグルメタイム。
ミニまる: わーい! とりのからあげ!
……あれ? ころもが、さくさくふわふわ?
ちさまる: これが名物の『とり天』だよ!
天ぷらだから、衣が軽くていくらでも食べられちゃう!
からしポン酢で食べると、さっぱりしてて美味しいね!
コネクト: こっちの『だんご汁』もすごいよ!
平べったいきしめんみたいな『だんご』がいっぱい入ってる!
野菜もたっぷりで、体が温まる~!
コレクト: 炭水化物(だんご)とタンパク質(鶏肉)、そして野菜。非常にバランスの取れた郷土料理です。
寒い冬の避難所でも、これ一杯で心も体も満たされますね。……経費で落ちますか?
温泉には入れなかったが、学びと満腹感でいっぱいの帰り道。
ちさまる: 温泉はなかったけど、とり天おいしかったなぁ。
お土産は『ざびえる』と『かぼす胡椒』だよ!
わかまる: ぼくは、三角州の成り立ちと洪水リスクについてもっと勉強したくなりました!
地形がわかると、街の弱点が見えてくるんですね!
コレクト: 良い心がけです。では、次の課題です。
大分市のハザードマップを読み込み、最も安全な避難ルートを3パターン提案しなさい。
期限は明日まで。
わかまる&コネクト: 「ひええええ~~~~!!!」