世界を“解像度”高く見るための、新しい視点
「地震への備え」「水害への備え」…私たちは、つい災害を、個別の「点」として、捉えがちです。
しかし、現実は、もっと複雑で、そして、繋がっています。
一つの地震が、経済を止め、社会を分断し、歴史を、変えてしまうことすらある。
だからこそ、EGICは「多面的防災」を提唱します。

私たちEGICが、全ての活動の根幹に据える「多面的防災」とは、その、複雑な“現実”そのものと、真正面から向き合うための、全く新しい“思考のOS”です。
多面的防災は、災害を「線」と「面」で捉える。
「多面的防災」の第一歩は、災害を、孤立した「点」ではなく、「線(因果関係)」と「面(全体像)」で捉えることから始まります。
例えば、巨大地震が発生した時。
問題は、建物の倒壊や津波だけではありません。
- サプライチェーンが寸断され、全国の工場が止まる【経済的問題】。
- デマが拡散し、人々が互いを疑い始める【情報的問題】。
- そして、その教訓が、数年で忘れ去られていく【歴史的問題】。
これらの、無数の“線”が、織りなす“面”の、全体像を理解せずして、本当の意味で「備える」ことは、不可能なのです。
EGICが実践する、4つの行動哲学 - 「知・減・助・除」
「多面的防災」は、「知る」ことから始まり、「行動」へと繋がる、4つの循環で構成されます。
私たちEGICの「教育」「啓発」「情報」「メディア」という各事業は、この循環を社会で実現するために、それぞれが重要な役割を担っています。
1.【知災】~全ての、出発点~
「知災」とは、災害や防災に関する正しい知識を、多角的に学ぶことです。
なぜ災害が起きるのかという科学的なメカニズム、過去の災害が残した歴史的な教訓、そして我々が住む社会の脆弱性。これらの知識を体系的に学ぶことが、全ての防災行動の、揺るぎない土台となります。
EGICの教育事業(ちがくナビなど)は、この「知る」ことの重要性と、その知的な面白さを、社会に提供します。
2.【減災】~未来への、具体的な備え~
「減災」とは、「知災」で得た知識を、被害を減らすための具体的な行動へと、転換させることです。
ハザードマップを基にした避難計画の策定、家具の固定や備蓄の管理といった家庭での対策、そして地域との連携。これらは、未来に起こりうる被害を、人間の意志で最小化するための、最も賢明な「投資」です。
EGICの知災啓発事業(ソナシルなど)は、そのための実践的なツールと情報を提供します。
3.【助災】~発災時に、命を救う行動~
「助災」とは、災害が発生した際に、一人でも多くの命を救うための、的確な支援活動です。
混乱した状況下で、正確な情報を、必要な人へ、迅速に届けること。限られた資源の中で、最も効果的な支援は何かを、冷静に判断すること。
EGICの情報発信・メディア事業(EGIC-LIVE、SNS情報発信など)は、この「助ける」ための、最も重要な武器である「情報」を、社会に提供し続けます。
4.【除災】~被災者に寄り添い、教訓を未来へ~
「除災」とは、災害が残した物理的・精神的な障害を取り除き、被災者が日常を取り戻すプロセスに、寄り添うことです。
そして、その復興の過程の中から、「何が足りなかったのか」「次は、どうすべきか」という、新しい“教訓”を見つけ出し、それを、“次なる「知災」”として、社会に還元していく。
EGICのメディア事業(Resaster、EGIC-Radioなど)は、この「語り継ぐ」という、息の長い役割を担います。
この「知災 → 減災 → 助災 → 除災」という、終わりのない循環を、社会の隅々にまで根付かせること。
それこそが、私たちEGICが目指す「多面的防災」の、全体像です。