台風の進路を予測する
台風の進路は、主に風や気圧の影響を受けます。特に日本周辺では、先ほど説明した「南高北低の気圧配置」が重要な要素になります。
なぜかと言えば、太平洋高気圧が強くなると、台風はその縁を回るように移動し、一般的に西から東へと進む傾向があります。これが日本列島に接近する台風の基本的な進路パターンです。まぁ、高気圧の中に低気圧が突っ込んでくることはないですよね…だから当然ともいえるでしょう。
ここで中学校の知識を活用すると、台風の進路がどのように変わるかが少し見えてきます。例えば、台風が太平洋高気圧の西側に位置する場合、北西へ進むことが多くなります。
一方で、台風が太平洋高気圧の東側にいると、東や北東へ進む傾向があります。これは、一つは地球の自転によって生じるコリオリの力がはたらくため、そしてもう一つが高気圧の周囲を時計回りに風が吹くためです。「時計は高い」などと覚えた方も少なくはないのでは。
※コリオリの力・・・地球の自転によって生じる力であり、北半球では右に曲がるように物体を動かす。なお、南半球では左に曲がる。これにより台風の進路が変わる。簡単に言えば水道の水がどっち回りかということ。お風呂の水を抜くときにできる渦を見るとわかりやすい。
台風と季節風の関係
台風がどのように日本に影響を与えるかを考える上で、もう一つ重要な要素が「季節風」です。
夏の季節風は南東から吹き込み、日本列島に湿った空気をもたらします。これが梅雨や夏の多雨の原因の一つです。南、小笠原諸島周辺に大きな「高」の文字を見たことはありませんか?
台風が接近すると、この季節風と合わさって、大量の雨が降ることがあります。
台風が日本海側を通過する場合、湿った空気が山脈にぶつかり、山地で豪雨が発生する現象が起こります。これが、台風の進路が西側を通過する際に、東側に位置する地域でも大雨が降る理由の一つです。